2023年インフラ運用管理効率化の打ち手を考える
1.昨年(2022年)多かったインフラ運用管理の悩み
弊社では、昨年、Japan IT Weekの春と秋での単独出展、Interop でのZabbixブース内への出展から多くのお客様の声を伺うことができました。
コロナ禍でテレワーク対策やクラウド移行などの業務に忙殺されていた情シス部門でしたが、最近は新たなことに取り組む余裕が出てきつつあるように感じました。
いろいろとお話を伺った中で、運用管理における現状のニーズの多くは次の3つに分類できそうです。
まず、構成情報や資産情報の管理を行いたい、効率化したいというニーズです。
政府主導でサイバーセキュリティ対策への取り組みが重視され、経営層の脆弱性対策に対する注目度が高まったことがあります。これまでは、担当している機器の情報を人手で収集し、個別にExcelにまとめていることが多かったようです。しかし、管理者としてはそれが最新の情報なのか、正しいのかという不安が拭えませんでした。
次に、Windowsアップデートに代表されるパッチの適用作業が悩ましくなんとかしたいというニーズです。
毎日のように脆弱性対策情報ポータルサイトJVN (Japan Vulnerability Notes)で脆弱性関連情報が提供されています。このため、その情報の自社への影響を調査し、該当すれば修正パッチ適用などの対策をできるだけ早く行う必要があります。OSへのパッチであれば、稼働しているアプリケーションへの影響も考えなくてはならず、Windowsアップデート作業などは夜間や休日に行っている企業も多いようです。対象となるサーバー数が多ければ多いほど人手と時間がかかり厄介な作業です。
そして、障害対応を迅速に行い、可用性を高めたいということで、監視ツールと連携して何らかのアクションをタイムリーに実行したいというニーズです。
特にZabbixユーザーからのご相談が多く、トリガーエラーと連動してジョブ実行等のアクションを行わせたいというニーズが多くありました。
例えば、「特定のプロセスが落ちたら再起動を行う」、「障害発生時には構成情報やログの収集を行う」といったようなシナリオです。
図1にこれらのニーズについて具体的な声をまとめてみました。
<図1>インフラ運用管理のトップ3ニーズ
2.国内、海外の運用自動化取り組み動向
ここ数年DXの概念が浸透し、DXを旗印に改革を進めようと単年度計画や中期経営計画などでDXを盛り込む企業が多くなっています。その中の1つの施策としてシステム運用業務での生産性向上やサービスの改善も検討されるようになってきました。
世界的な動向を見ると、Gartnerは、「インフラと運用において、2025年までに企業の70%が柔軟性と効率性の向上のために、構造化された自動化を実装する。」*と予想しています。2021年段階では、自動化を実装済みの企業の割合は20%だったそうですので、4年間で50ポイントの増加となります。
*Gartnerの調査は2022年4~5月に、北米、欧州、中東、アフリカ(EMEA)、アジア太平洋地域(APAC)に事業所を置く年間売上高10億ドル以上の企業のI&Oリーダーとその直属の部下304人が対象。
一方、調査会社ITRの「国内IT投資動向調査報告書2023」では、表1に示すように新規導入可能性の5位に「ITサービス管理」がランクインしています。ITサービス管理は、システムの監視から構成管理、インシデント管理に至るまでのシステム運用すべてに関して何らかのサービスやツールを導入し自動化するものだと考えられます。
また、前年からの投資増減指数(導入済み企業における2023年度の投資額の増減傾向)の8位に「運用自動化」がランクされており、導入済み企業でも追加投資意欲の高いことわかります。
3.自動化ツール導入への本格的な取り組みが始まりつつある
DXに関して言えば、既にRPA(Robotic Process Automation)などでPC業務の自動化が始まっていましたが、今後は効率化が見込めるバックオフィス全般が対象になると考えられています。
Gartnerでは、『買掛金、売掛金の管理』『ヘルプデスクなどの社内ITサービス』など、効率化できる部分が多い。インフレーションで利幅が圧迫される環境下では、これらの分野の生産性向上が急務となっている」**と述べています。
** Gartner CFOとCEOが「投資が活発になる」と考える技術
このように、システム運用管理者が行っている運用業務についても、効率化や生産性向上に向けた検討の対象になるものと思われます。
展示会でのお客様との会話で要望が多かった、構成情報の管理、パッチの適用、監視ツールとの連携は運用業務における効率化が大いに見込めるテーマです。これらのニーズはコスト効果が大きく見込めるため、構成管理やジョブスケジューラを手軽に実現するための安価な自動化ツールの導入が1つの解決策と考えられます。
4.POLESTAR Automationで自動化する
前述のトップ3ニーズは、運用自動化ツールPOLESTAR Automationの各種機能を利用することで図2に示すように自動化ができます。
例えば、構成管理/資産情報の管理では、基本的な構成情報の収集に加え、デフォルトでは収集していない情報でも強制的に収集するためのスクリプトジョブを作成し実行することで、必要とされる構成情報一覧表を短時間で作成できます。
そして、その結果をマウスで簡単に一覧表作成できるライブオブジェクト照会や、テンプレートに合わせて報告書を作成し、メールに添付して定期的に送付できるレポーティングツールが標準で提供されます。
パッチの適用では、ファイルを対象サーバーに送付し導入するファイル配布ジョブ(ファイル配布前後の処理も実行可能)やWSUSを使わずにWindowsアップデートの一元化を行うためのWindowsアップデートジョブ、該当するパッチが当たっているかどうかを確認するための点検ジョブ機能などが利用できます。
そして、監視ツールとの連携では、トリガーエラーに合わせて監視ツールから送られるコマンドをAPI経由で受けて、POLESTAR Automationのジョブを自動実行できます。POLESTAR Automationは、ジョブの作成が非常に簡単なため、ジョブの作成をPOLESTAR Automationで行い、ジョブスケジューラとして管理することで生産性を高めることができます。
加えて、弊社が様々なお客様のPoC用にご提供してきたサンプルジョブが1,100種類以上あり、これらはすべて無料でご提供しています。
<図2>POLESTAR Automationでの自動化機能
5.POLESTAR Automationの特徴
POLESTAR Automationは、国内の通信キャリアや大手金融機関、製造業などでご活用いただいており、実績のあるツールです。
ノードのみの課金体系なので、わかりやすく、小さく始めて大きく育てることもできます。
その特徴をまとめますと
- サーバーやネットワーク機器の構成情報を日次で収集、蓄積、表示を行います。
- ジョブを作成するための目的別9種類のウィザード(点検、スクリプト実行、ファイル導入、差分チェック等)があり、デバイスの選択やスケジューラ、ライブラリの設定などはマウスで行えます。
- 標準のレポーティング機能(各種テンプレート付属)を利用することで、目的にあった報告書を様々なフォーマットで作成可能です。
- エージェント方式、エージェントレス方式の両方に対応しており、併用も可能です。
差別化ポイントは、優れたUIによる「使いやすさ」「わかりやすさ」と、コストパフォーマンスです。
- 作業毎に画面を最適化し、ほとんどの操作はマウスのみで可能です(マニュアルいらずのUI)。
- 1,100種類以上の無償サンプルジョブ、200種類以上の点検ポリシー***を利用すれば、導入後すぐに自動化が可能になります。***オプション
- 価格はサーバー10ノード 年間12万円(サブスクリプション 税別)~ :ライセンス販売もあり