新機能「ネットワーク自動化」紹介と「働き方改革」

2017年9月13日

ワイドテック プロダクト企画担当のYです。

昨今、メディアにおける頻出ワードのひとつが「働き方改革」。セミナーやイベントも多数開催されていますね。

長時間・時間外労働の削減と労働生産性向上を目指し、多様かつ柔軟な働き方を模索する一連の動きは「ワークスタイル変革」と呼ばれてきましたが、昨年9月末に首相の私的諮問機関「働き方改革実現会議」が立ち上がった時点から、国の政策課題「働き方改革」となりました。

このタイミングで「働き方改革」が政策にまで浮上したのは、とりわけ2020年の7月に東京で開催されるオリンピック・パラリンピック(「オリ・パラ」と略すそうです)に向けた準備のひとつといえます。

会期中の混雑回避、ボランティアなど「オリ・パラ」運営に欠かせない人材確保の必要性に加え、かつて「エコノミック・アニマル」だとか「ワーカホリック(仕事中毒)」などと呼ばれて主に欧米世界からの非難の対象となった、日本の労働環境(特に長時間労働)に対するイメージの改善を図って行こう、という目的もあるのでしょう。

■IT運用業務における「働き方改革」とは?

主にホワイトカラーの業務において、「働き方改革」の中核として位置付けられるのが、場所に関係なく業務を可能にする「テレワーク」です。テレワークといえば「在宅勤務」を真っ先に連想される方が最も多いかと思いますが、自宅以外の場所(コワーキングスペースなど)で行うリモートワーク、モバイルワークなども、テレワークのバリエーションといえるでしょう。

通勤・移動時間の節減を通じ、時間あたりの労働生産性向上を図ろうというのがテレワーク推進の主な目的ですが、前回の本欄でも取り上げた「BCP対策」としても有用です。テレワークの可能な環境、つまりどこにいても仕事のできる基盤が整備されてさえいれば、事業所や交通機関が災害に遭ったり、「オリ・パラ」などでオフピーク通勤や移動の自粛などが求められることがあったとしても、業務を滞りなく行うことが可能となるでしょう。

しかし、ITシステム・サービスの運用業務においては、テレワークの全面展開は困難と思われます。システムが膨大すぎて外部から管理するのが難しい上、ハードウェアにまつわる物理的な作業やセキュリティなどの都合もあり、現場、つまりサーバールームでの作業がどうしても主体にならざるを得ないからです。

IT運用業務における作業時間の大半は、目視点検やコマンドの入力に割かれ、マンパワーの多くもそこに投入されます。24時間・365日休みなく動き続けるシステム・サービスの運用を維持するため、深夜・早朝や休日の勤務も発生しがちです。

時には、ヒューマンエラーによるコマンド投入や操作ミスも発生するでしょう。ミスの内容にもよりますが、ヒューマンエラー要因を含む障害からのリカバリーには、通常の作業よりも多くの時間を要するのが普通でしょう。

そんなIT運用業務の改善に役立つのがPOLESTAR Automationで、導入により業務の標準化が促進され、作業効率・労働生産性の向上やヒューマンエラーの原理的な撲滅が可能となり、休日・時間外業務の劇的な削減につながる…というのは、私たちがこれまでずっと訴え続けてきたことですが、これこそIT運用業務における「働き方改革」の実現にほかならないでしょう。

運用業務の生産性向上を進める上で、何よりも重要かつ最も効果的なのは、「自動化システムに任せられる業務はすべて任せてしまう」ことなのですから。

■POLESTAR Automation「ネットワーク自動化機能」の概要

さて、去る11日、POLESTAR Automationへの「ネットワーク自動化」機能追加に関するプレスリリースを配信しました。 POLESTAR Automationでの、ルーターやL2/L3スイッチといったネットワーク機器の制御を通じた自動化の実現については、昨秋の製品発表以来、弊社の営業がお客様を回ったり、あるいは展示会などに来訪されたお客様の声を伺ったりする中で、特に多くのご要望をいただいていたもののひとつです。

まず、ワークスペース(画面左側)に「ネットワーク」という項目が追加され、ルーターやL2/L3スイッチを登録すると、機器ごとのステータスが見られるようになりました。

また、「ネットワーク」のワークスペース(または[構成]-[ジョブ作成]メニュー)には、ネットワーク機器向けの自動化ジョブを作成するための「ネットワークスクリプトジョブ」という項目が追加されました。

これまでのサーバー向けのジョブ作成と同様、わかりやすく扱いやすいと評判のウィザード形式でコマンド入力や対象機器の指定を行うだけで、簡単にネットワーク機器向けの自動化ジョブが作成できます。

■ネットワーク自動化はエージェントレスで実現

ところで、これまでPOLESTAR Automationでは、サーバーに対する各種の自動化を「エージェント方式」で実現してきました。管理対象サーバーに「エージェント」と呼ばれる小さなプログラムを組み込んでデータやコマンドをやりとりするこの方式にさまざまなメリットがあることは、以前から再三ご紹介してきましたが、ルーターやL2/L3スイッチなどのネットワーク機器に対しては、エージェントのような常駐プログラムを外部から組み込むのは無理です。

そこで、今回開発したネットワーク機器の制御用には、SSHなどを利用し、POLESTAR Automation(管理サーバー)からルーターやスイッチに対してコマンドを発行・送信する手法を開発し、適用しています。
で、鋭い方ならお気付きでしょう。この手法って、実はネットワーク機器以外にも応用できるんじゃないの? と…

今回のネットワーク自動化対応により、「自動化システムに任せられる業務」の幅がさらに広がったPOLESTAR Automation。きっと御社IT運用業務の「働き方改革」にもお役に立てると思います。
ネットワーク自動化機能を搭載した最新のPOLESTAR Automationは、10月3日から6日までの「CEATEC JAPAN 2017」で初公開します。ぜひともCEATECワイドテックブースにご来場ください。