ものづくりのDX。POLESTARが製造業のレガシーシステム可視化に向いている理由とは。

2021年11月15日

経済産業省「2025年の崖」*では、「既存システムの複雑化・ブラックボックス化への対策」と「デジタル技術を活用したビジネスモデルへの新たな取り組み」を行わないと、2025年以降最大12兆円/年の経済損失が生じるという可能性について警鐘を鳴らしている。
*「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」(経済産業省2018年)


そして、全体の約8割の企業がレガシーシステムを抱えていることから、「レガシーシステムが存在することによるリスクや課題が多いこと」、そして「レガシーシステムの保守・運用に多大なリソースがとられていること」が、貴重な「IT人材資源」の“浪費”につながっているとしている。


製造業のDXの目的、ゴールとは?

製造業ではレガシーシステムが残っている企業の割合が多く、また、その維持に偏重する傾向が顕著である。多くの企業では、まず身の回りからDXへの取り組みに着手する、中期計画に盛り込むなどして、対応に躍起になっているが、その方法論はマチマチのようである。


さて、DXの目的、ゴールとは何か。前述の「2025年の崖」では、「レガシーシステムの保守・運用に充てられている人材・資金を、新たなデジタル技術の活用にシフト」し、「さまざまなデータを活用」し、「迅速なビジネスモデル変革に対処できるようにする」、というあるべき姿が示されている。
現実的には、自社のあるべき姿とは何なのか、どこから手を付けるべきなのか、と困っている企業も多いのではないだろうか。


長年使用してきた業務システムの老朽化や複雑化という現状から、一足飛びにDXへと移行することは困難である。そこで、まずは現状の可視化から取り組み、その上であるべき姿とのギャップを確認し、課題の克服や実現ロードマップを作成する必要があるだろう。
したがって、自社のシステムが現在どうなっているのかを、的確に把握しておくことが大前提である。


構成管理の自動化ツールは現状把握に必須

そうした現状の把握・可視化で必要となるのが、構成管理を自動化するツールである。構成管理では、管理対象となるサーバーやネットワーク機器の様々な情報を収集し、データベース化し、レポーティングする。どこにどんなOSやアプリケーションがあり、バージョンは何なのか。どのようなハードウェアがあり、インターフェースはどうなっているのか、などといった最新の情報を収集することが可能である。

構成管理については、手作業でアナログ的な集計を行っているケースが散見されるが、いつの時点で収集した情報なのか、果たしてそれが正確なのかの確認が大変で、信憑性の問題もある。


そこで、製造業などものづくりのDXを支援する構成管理ツールとしておすすめなのが、インフラ運用自動化ツールPOLESTAR Automation(以下POLESTAR)を利用する方法である。
では、なぜPOLESTARが製造業のレガシーシステム可視化に向いているのだろうか?


構成情報の自動取得による現状の見える化(構成管理)

レガシーシステムの刷新、クラウドへの移行などにあたり、現状はどうなっているのか。インフラを移行するとしたら、どれくらいのリソースが必要で、いくらくらいのコストがかかりそうなのかの算出根拠になる。また、EOS/EOLの可能性があれば、どこから着手すべきなのかの優先順位、それぞれのOS、ミドルウェア、アプリケーションにおける依存関係なども、重要な情報となる。これらのすべてを、人海戦術により調べ上げるのは大変な手間と時間がかかる。

よって、POLESTARのような構成管理ツールで自動収集し、最新情報にいつでもアクセスできるようにしておくことが望ましい。

<構成情報の収集>
https://polestar.widetec.com/whitepaper_vol8_cm



800種類を超えるサンプルジョブ

構成管理ツールのデフォルト機能で直接取得できる情報もあるが、個別にスクリプトを実行しないと収集できない情報もある。
POLESTARには既に800種類を超える自動化サンプルジョブ(無償)が用意されており、これらを利用することで、機器シリアル番号の収集やセキュリティソフト情報、OpenSSLのバージョン、ネットワーク機器のConfigなど、収集にひと手間要する情報も、簡単に収集できる。

<サンプルジョブ>
https://polestar.widetec.com/polestar-automation_info/about_job#sample_job


また、ユーザーが簡単にジョブを作成できる「ウィザード」と呼ばれる機能があり、マウス操作による対話型でジョブを作成できる。

<Windows Updateジョブ>
https://polestar.widetec.com/polestar-automation_info/about_job/windowsupdatejob



閉域網でも利用可能

製造拠点では、機密保護のため、インターネットに露出しないプライベートLAN、つまり閉域網上にインフラを構築している場合が多い。インターネットから遮断されているため、最新パッチ情報の収集やパッチのダウンロードを直接行うことができない。

POLESTARでは、一旦ダウンロードしておいたファイルやパッチをライブラリに置いておくことで、ジョブを用いて自動的に配布、導入まで実現可能である。POLESTARをオンプレミスに置いておき、異なった閉域網ネットワークセグメント間はVPN等で接続することで、一元的な管理も可能となる。

<ファイル配布ジョブ>
https://polestar.widetec.com/polestar-automation_info/about_job/filedistribution



古いOSにも対応

閉域網で利用している場合、セキュリティ上の懸念は少ないため、サポート期限の満了した古いOSで動作しているWindowsやLinux、商用UNIXサーバーが残っている場合も多々ある。

POLESTARであれば、Windows Server 2000以降、LinuxならKernel 2.4以降から管理対象とすることができる。またUNIXはAIX、SunOS(Solaris)、HP-UXのすべてに対応している。また、ネットワーク機器についてはSNMPおよび標準MIBにより構成情報が取得可能であれば、対応可能である。

<管理対象サーバー>
https://polestar.widetec.com/polestar-automation_info/system-configuration



追加情報の管理

POLESTARでは、各サーバーやネットワーク機器に、障害履歴や保守契約情報、ロケーションなどの付加的な情報を紐付けし、一括して管理できる。

ユーザーが自由にテキスト入力できるデフォルト・スペースに加え、必要に応じて入力可能なプロパティを自由に追加できるため、情報の管理も容易になっている。入力した情報は報告書作成機能によりExcel、PDF、Wordファイルとして出力できるほか、ライブオブジェクト照会機能で結果をその場でExcelに出力でき、デジタル情報としての管理・保管も容易である。

<ライブオブジェクト照会>
https://polestar.widetec.com/case-study/use-case/liveobject


以上に加え、POLESTARは操作がほとんどマウスだけで可能で、属人化に陥りにくいことや、大量のデバイスがあってもリーズナブルに導入いただける価格が利点である。
構成管理だけでなくジョブスケジューラ機能も使いやすいため、DXへのステップアップ時や、DX完了後にも、継続的にご利用いただける仕様となっている。


このように、ものづくりのDXを進めるための最初のステップとして、レガシーシステムの可視化にPOLESTARは最適な選択肢である。
以上