IT人材が足りない! 今いるメンバーだけで「求人クライシス」を生き抜くには?
4月25日、東京都と関西3府県を対象に、新型コロナウイルス感染拡大に伴う3回目の緊急事態宣言が発動されました。出口の見えないコロナ禍の、さらなる長期化が懸念されるところです。
昨年来のコロナ禍は、経済活動のあらゆる分野に影響を及ぼし、特に雇用については深刻な事態となっています。
1月29日の厚生労働省発表によれば、2020年の平均有効求人倍率は1.18倍と、前年比0.42ポイントの減少。有効求人件数は前年比21%減なのに対し、有効求職者は6.9%増となり、求職者の増加に対して求人が減ったといえます。
4月8日には、同じく厚労省から、コロナ禍による解雇・雇い止めが10万人を超えたとの発表もありました。
しかし、IT業界、特にエンジニアの求人については例外で、人材関連サービス各社のデータを見る限り、最初の緊急事態宣言が出された2020年4月から6月頃まで一時的に低調であったものの、7月以降は回復に転じ、コロナ禍前と変わらないか、上回る水準にまで戻っているようです。
■先進企業は自社でITエンジニアを雇い、育て、囲い込む
4月6日付日本経済新聞の記事「金融、IT競争力が左右」によれば、米国の大手銀行では全従業員に占めるITエンジニアの割合が30%なのに対し、日本は4%に留まるという、非常に衝撃的な数字(金融庁調べ)が紹介されています。
国内の大手銀行で発生したシステム障害を受けての記事ですが、基幹システム運用を担う専門人材を減らしてきたことが、原因のひとつとしています。
一方、合併によって誕生した、このメガバンクでは、合併前の各銀行からシステムの外注を請け負ってきた既存のITベンダーが、合併後も引き続き担当し続けているだけでなく、新規に参加したベンダーも加わってなおさら混沌とした状況となったまま、20年近くかけてシステム統合を実施してきたことが知られています。
多くの欧米の金融機関では「金融=テクノロジー」と捉え、技術革新をリードできる優秀な自社ITエンジニアの確保と、囲い込みのための投資を続けています。
対して日本では、システム開発から運用までを外部に丸投げするのが一般的で、しかも融資系列や合併など各種のしがらみから、複数のITベンダーに委託するケースが少なくないようです。
金融に限らず、日本の多くの産業分野に根深く存在する複雑な外注システムについては、日本独自の構造的な問題点、国際競争力を削ぐ要因として、海外事情に精通するITコンサルタントやアナリストにより早くから指摘されてきました。
しかし、一朝一夕にグローバルスタンダードをキャッチアップするのは、簡単なことではありません。
■コロナ禍にあっても「DX」で激化するIT人材争奪戦
そんな課題を抱える日本の産業界ですが、前述の通り、ITエンジニアの求人は堅調です。
理由としては、コロナ禍のもとテレワークなどの特需で伸びた通信関連業種のような、いわゆるニューノーマル需要への対応もあるでしょうが、やはりここ数年、ITに限らず全産業分野において最重要課題となっている「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」への投資が背景にあると考えられます。
「脱はんこ」のような職場の日常から、社会インフラの根本に至るまで、ありとあらゆる分野をデジタル化、IT化して行こうという「DX」の推進が叫ばれて久しいです。
DXは産業構造の変革という側面も持っており、人材を含む投資対象やプライオリティにも変化をもたらしています。変革の前段階、ないしは変革中にある現時点で求められるのは、デジタル化を担うIT人材です。
DX以前から、余力のある企業が先行したIT投資ですが、DXの進んだ世の中では、末端の取引先にまでDXへの対応が求められることになり、否が応でもDXを受け入れるための投資を迫られることになります。
その結果、限られたITエンジニアのパイが争奪戦状態となります。終身雇用制が実質的に崩壊してしまったといえる現状では、人材の流動性も高まり、より条件のよいところに優秀な人材が流れて行くことになるでしょう。
結局、DXの時代になっても、十分な投資ができ、必要な人材を目論見通りに集められるのは、やはり業績がよく、中長期的な将来性も期待できる企業、業種ということになってしまうわけです。
■大変革と人材不足の時代に、生存を図るための投資 – 運用自動化
さて、DXに適応し、遅れを取らないためのITエンジニアの争奪戦が発生し、人材確保に苦労する時代を、限られたリソースのもとで生き抜く方法はないのでしょうか?
それは、導入しやすく、少ない人数でも運用・維持しやすいITインフラの環境構築に投資することです。
優秀なIT人材の確保が困難となる中、限られた人数でもITインフラ運用の品質を維持し、向上できる手段として注目を集めるのが「運用自動化ツール」です。
従来、人手に頼ってきたサーバーやネットワーク機器の日常点検、設定変更・アップデートなどの構成管理、障害対応などを自動化できるだけでなく、作業手順の標準化により、誰が作業しても同じ結果が得られる「冪等(べきとう)性」の獲得と、作業が特定の人物に紐付く「属人化」の排除にも役立ちます。
中でも、ワイドテックの「POLESTAR
Automation」は、コマンドラインが主流の競合製品と比べ、日常の運用業務の大半をGUIベースのマウス操作でこなせる、扱いやすい運用自動化製品です。
しかも、競合製品と同等かそれ以下の費用で利用可能な価格体系で提供するとともに、無償提供の自動化ジョブライブラリも充実しています。
DXで迎える大変革の時代で生き残るために。そして、いつか迎えたい逆転攻勢の日に備えて。POLESTAR Automationが、きっと貴社のお役に立てると確信しています。