「非常時」に強いのは、属人化しない運用。
ワイドテック プロダクト企画のYです。
昨年末に発見されたCOVID-19(新型コロナウイルス)が、多方面に影響を及ぼしています。
国内でもBCP対策の一環として、人混みを避けるための時差出勤や、テレワーク(在宅勤務)に踏み切る企業も出ていると聞いています。この原稿を書いている最中、東京マラソン(3月1日)の一般参加者出場が中止、というニュースも飛び込んできました。
■「非常時」に強い運用とは
感染症が「パンデミック」と呼ばれる「非常事態」レベルにまで至ると、現在は企業ごとに自主的な判断で行われている時差出勤やテレワークが、国や自治体レベルで推奨されることになるかもしれません。
既にこの原稿を書いている2月17日現在、日本政府はCOVID-19の感染拡大を防ぐため「不要不急の外出」は控えるよう呼びかけ始めており、一部の企業にもこの呼びかけに呼応する動きが出始めているようです。
もちろん、経済活動を全面的に止めることはできないでしょう。COVID-19が最初に発見された中国でも同様でした。延長された春節(旧正月)休暇が終わった現在でも、不要な外出は控え、可能な限り自宅で過ごすことが奨励されていますが、自分もよく利用している「微信(WeChat=LINEに相当)」や「愛奇芸(NetFlixに相当)」といった中国の大規模なITサービスは、春節期間中も大きな不具合を起こすことなく動いていました。今回特にこうしたSNSやコンテンツ配信では、奨励された在宅中の情報や娯楽へのニーズから、トラフィックが急増していたにもかかわらず、です。
さて、国内の話に戻すと、今後仮に感染拡大が進んだ場合、感染拡大の防止や従業員の安全確保といった観点から、限られた人数でいかにシステムを運用し、安定性を担保するかが課題として浮上してくるのは、確実かと思います。
POLESTAR Automationが2016年10月の発売開始以来訴求してきたのは、そうした少人数でのシステム運用に加え、「属人化対策」への有用性です。
多くの運用自動化製品は、シェルスクリプトやバッチファイルといったOSごとに異なるスクリプト書式の代わりに、その製品固有の書式によるコードによって自動化を図ることをコンセプトとしています。「Infrastracture as Code(IaC)」とも呼ばれます。OSごとの違いを自動化製品が抽象化し、吸収しようという思想です。
抽象化によるIaCは実現されれば理想的な運用になりえますが、IaC用のコードは全面的な新規作成が必要になるうえ、実際はOS固有部分を完全に抽象化するところに至っていません。
POLESTAR Automationは、IaCの思想を取り入れつつも、既存のスクリプト書式をそのまま用いて自動化を図ることに重点を置いています。従来のスクリプト資産を活用・継承しながら自動化が達成できます。
また、最初からGUIを前提に設計されていますので、過程や結果の確認も容易です。とりわけ、点検や監査(差分確認)においてGUIのわかりやすさは有用です。
「属人化しない運用」、それは万一の不可抗力による運用体制縮小にも対処できる運用であると考えます。もちろん運用手順をはじめ作業内容の標準化あってこその属人化排除なのですが、運用の標準化を図るには、運用自動化製品の導入による手順の標準化が有用です。
そして、POLESTAR Automationは、最も属人化しにくい運用自動化ソリューションであると自負しています。
■Zabbix認定パートナーになりました!
話はガラッと変わりますが、このたび、株式会社ワイドテックはZabbix LLC(Zabbix社、東欧・ラトビア)の「認定パートナー」となりました。
実は弊社では、Zabbixが日本に紹介されて間もない頃から、Zabbixの絡む構築や運用案件を、さまざまな形で手掛けてきており、Zabbixの経験が豊富なエンジニアもたくさん抱えていたりします。
しかしながら、これまでは自社開発製品や、POLESTAR Automationのように自社で販売権を持っている製品を主力にしたいという方針から、Zabbixそのものを積極的に販売していくことはありませんでした。
それが昨年、POLESTAR AutomationのAPIによる外部連携を発表して以来、お客様からZabbixそのものについてのご要望も多数いただくようになり、Zabbixを公式な形で取扱製品に加えるべく、認定パートナーに加わることとなりました。
今後は運用ソリューション提案の一環として、POLESTAR Automationと連携する形でのZabbixによる監視ソリューションを提案していくことになります。
もちろん、Zabbix単体での導入案件にも対応させていただきます。お気軽にPOLESTAR担当営業までお問い合わせください。
なお、弊社では4月13日(月)~15日(水)に開催されるInterop Tokyo 20(幕張メッセ)のZabbix Japanブースに共同出展することになりました。Zabbixとの連携ソリューションをお見せする予定です。
直前の4月8日(水)~10日(金)には、Japan IT Week 春(東京ビッグサイト西展示棟、こちらは単独出展)にも出展しますので、土日を挟みはするものの、6営業日連続で展示会に出ることになります。こちらでもZabbix連携デモを行う予定です。
■そのアラート、ちゃんと伝わっていますか?
Zabbixといえば監視、監視といえばアラート。システム異常をメールなどを通じたアラートで管理者に伝える監視ソリューションの機能は、システム運用には必須といえます。サーバーやネットワークの運用現場には、POLESTAR Automationのような運用自動化製品は未導入でも、監視だけは何らかの製品が最低限入っているのが普通かと思います。
しかし、管理者が張り付いている平日の日中はともかく、夜間や休日にアラートメールが送られてきても、気付かないことも多いのではないでしょうか。
夜中の就寝中でも伝わる確度の高いアラート手段、それが「電話」です。
弊社では「急コール(CueCall)」というクラウド型緊急連絡サービスを提供しています。夜間や休日など、メールだと埋もれてしまいかねない緊急連絡を、メールを合図(cue)に、つまり弊社のクラウドにメールが届くと自動的に指定の番号に電話をかけ(call)、対象者に確実に伝えられるという、最も確実な緊急連絡手段です。
単に「メールで電話をかける」だけでなく、大量に発生するアラートメールから重大性の高いものだけを自動的に選別し、本当に必要なケースでだけ電話を発信するという、メール解析による発信絞り込みの機能も備えています。
もともと大手通信キャリアさんの運用部門からの要望を受け、電話転送サービス「転送録」のノウハウを応用して単発で開発・納品したものをベースに商品化した急コールですが、最初の1年ほどはあまり売れませんでした。
しかし、なぜか昨年の後半あたりから、それまでの苦戦が嘘だったかのように突然売れ始めています。災害時の緊急連絡用として導入されたケースもありますが、やはりシステム運用関係のお客様が多いです。
Zabbixをはじめ、外部にメールの送信さえ可能なものなら、あらゆる監視・インシデント管理システムと組み合わせ、緊急対応担当者の電話を鳴らすことが可能です。システムのそばに電話機を置く必要はありません。緊急連絡が伝わらなくてお困りの方には、急コール(CueCall)をおすすめします。
実は春先に中国に行く予定があったのですが、予約していた飛行機が欠航になってしまいました。便数は縮小になったものの全面欠航ではないので、行こうと思えば行けないこともないのですが、日本の周囲だけでなく先方の中国側からも止められてしまったので、しばらく見送りになりそうです。
個人的にはこれまでも普段から手洗い、うがいを欠かさないようにしていたつもりですが、これまで以上に意識して徹底するのが、感染予防につながると思います。
いずれにせよ、一日も早く収束することを願っています。